歌の小径

バラの微笑み 油絵 処女作 1960年 作


昭和33年上京 詩、俳句、絵を通じて


上京したのは昭和32年で、ひと間のアパート暮らしは、貧しいながらも充実した毎日だった。仕事をしながら、俳句や詩、絵は描き続けていた。
 あるとき、浅草で劇作家であり、歌謡ショーのプロデュースも手掛けていた神林氏と近付きになることができ、句会に招待されたことがある。
 会場は某劇作家の自宅だったが、実に広大な屋敷で、50人が裕に座れるほどの大きな座敷に通された。その句会のメンバーたるや、そうそうたるもので、徳川夢声氏、私と両年代、昭和11年生まれの大橋巨泉氏、のほか有名な政治家も同席しており、さすがに緊張したのを覚えている。
 絵のほうは「チャーチル会」という会に所属していた。その由来は、チャーチル氏はイギリスの首相でありながら画家でもあったことからで、彼と同じく本職は画家ではないが、絵筆を持つことが好きな人たちが集まっており、作家の林謙一氏、藤浦洸氏、女優の淡島千景さん、水戸光子さんや政治家の藤山愛一郎氏、一龍斉貞鳳氏などが在籍していた。そういった画家たちとの交流のなかで、特に山下清画伯との出会いは、絵に純粋な気持ちで取り組むことを学ばせてくれた。
 そのほか芸能界では、三波春夫さん、青木光一さん、伴淳三郎さんらとの出会いも私にとって大きな財産である。
 こうした様々な分野の著名人との出会いによって、私は感性を磨くことができた。
 そして、のちの創作活動にもおいおいに役立っている。


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